2007.09.10 Monday
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2007.09.10 Monday
猫に不妊・去勢手術は必要か?
 
Q:
親戚からアメショー雑種の仔猫(オス・7ヶ月)を貰いました。
猫好きな友人からは去勢手術を勧められているのですが、夫が、「去勢や避妊は自然に反することで、自然に対する冒涜行為だ。オスだから我が家で猫が増える心配はない。」と強く主張します。同じ男性として、なんだか身につまされるとも言ってます。
私としても、健康な身体に傷をつけさせるのはおかしいと思っているので、あまり納得できません。一度くらいは子供を作らせてあげないとかわいそうです。また、わたしの住んでいる町には手術の助成金がないので、高いお金を払ってまで、無理に手術をする必要はないと思います。
先日軽い皮膚病に罹った時に行った獣医さんには、前出の友人と同じように「そろそろ手術をしては?」と言われました。
なぜ避妊去勢させなくてはいけないのでしょうか?また、我が家ではどちらにしたら良いでしょうか?


A:
以下、メスに対しては「不妊手術」、オスに対しては「去勢手術」と表現を統一します)

結論から申し上げれば、ご相談の猫ちゃんには去勢手術を受けさせることを強くお勧めします
本格的なブリーディング(繁殖)の目的で純血種を飼っている場合や、猫自体に手術に耐えられない疾病がある等の特別な場合を除けば、不妊・去勢手術を受けさせる事は常識と認識していただきたいと思います。

大前提として、不妊・去勢手術を受けさせていない猫は絶対に外出自由にさせてはいけません。
外出先で、不妊・去勢手術を受けていない猫(野良猫・飼い猫)と交尾する可能性が非常に高くなり、野良猫の増加や、飼えなくなる仔猫が発生する原因となります。
また、他の猫とのケンカや接触(交尾含め)によって、ケガを負ったり感染症に罹る可能性も非常に高くなります。場合によっては何らかの事故に遭遇するなどして行方不明になる場合もあります。
さかりのシーズンを迎えて大きな声で鳴き騒ぐ猫の声や、ケンカの騒ぎはご近所の迷惑になり、野良猫が増える事によるゴミ荒らしやいたずらは、各地で大きな社会問題(地域・近隣トラブル)となっています。

猫を飼うという行為自体が、既に自然の法則に反しているのですから、繁殖のコントロールを行う事や、飼い猫の健康や安全を確保する事は、飼い主さんとして当然負わなくてはならない責務です。飼い猫に「自然のまま」という野生動物のルールを当てはめることはできません。
「オス(=男)だから痛々しい」「メス(=女)だから一度は産ませてあげたい」という考え方も、あくまで人間の一方的な主観です。猫ちゃんを可愛いと思う気持ちはとても大切ですが、人間側の感情論に偏るのは正しい飼い方ではありません。猫の繁殖衝動は動物としての本能によってのみ支配されています。

また、確かに手術費用は獣医さんによって多少の金額の差はあっても基本的にはある程度の高額な出費です。行政によっては不妊・去勢手術に対して助成金を設けている所もありますが、基本的に手術費用は全額飼い主さんが負担するのが常識です。犬猫に限らず、ペットを責任もって飼う為には、それなりの出費が伴うものです。
また、産まれるがままに増え続ける仔猫たちを健康に養って行く方が、結果的には一時的な出費となる手術費用より更にお金がかかる事になります。

<不妊・去勢手術を受けることによるメリット>
必要以上の繁殖を抑える事ができる
猫がメスの場合、産まれた仔猫をすべて責任もって(健康管理・近隣トラブルの回避・しつけ・等々)飼うことができるでしょうか?
どんなに可愛い仔猫でも、新しく飼ってくれる人を探すことは簡単なことではありません。
もちろん、飼えないからと言って捨てたり殺したりすることは、モラルの観点からのみではなく、犯罪行為(動愛法違反)になります。飼えない猫を殺処分にさせる事も安易に考えるべきではありません。
オスを飼っている場合でも、近所の未手術の猫や野良猫を妊娠させてしまう『原因』になることになります。
完全室内飼いをしていても、何らかのトラブル(戸締まりの不備・災害等)によって家の外に出てしまう可能性が無いとは言い切れません。

猫の健康管理・維持のために有効(より長寿が望める)
生殖器が無くなるので、必然的に生殖器関連の病気に罹らなくなります。メスの場合は出産によるリスクも無くなります。
繁殖シーズンのケンカやそれに伴うケガや病気にも無縁になります。
完全室内飼いなら更に安全性が上がります。

室内での飼育がし易くなる
一度も繁殖シーズンを迎えないうちに不妊・去勢手術を済ませている猫は、一般的に性格が穏やかになり飼いやすくなります。仔猫のままの性格が保たれるので、成猫になっても遊び好きで甘えんぼうのタイプが多いようです。繁殖への興味が無くなるので、飼い主さん(人間)に対しての親近感も強くなり互いの関係が深まります。
オスの場合(メスも一部あり)は尿マーキングが相当な確率で抑えられます。一度以上繁殖シーズンを迎えた経験があったり縄張り意識の強い猫の場合は、まれに尿マーキングが治まらないケースもあります。また、他の原因(何らかのストレス・病気)が尿マーキングをさせる事もあります。
繁殖シーズンになっても外界に興味が無くなるので、強引な脱走の危険も回避できます。シーズン中の興奮(鳴き声や暴れ回り等)も無くなります。

<不妊・去勢手術を受けることによるデメリット>
体重の増加
ホルモンバランスの影響で体重が増加しやすくなります。
また、繁殖や外出に興味が無くなるので食欲が増す場合もあります。
肥満に起因する疾病が発生し易くなるのでその点、飼い主さんは食餌内容や生活に気をつけてあげる必要があります。(ダイエットフードにする・一緒に遊んで身体を動かさせるようにする・猫用家具を設置する・・等)

繁殖させられなくなる
不妊・去勢手術をすると子供を作ることができなくなります。

出産経験によって避けられる(=未経験での発症が多い)病気もあり、不妊・去勢手術への反対意見も有るようですが、上記にあげた全体的な多くのメリット面と対比すれば微々たるものではないでしょうか。

<不妊・去勢手術を受けさせるのに適正な月齢>
まずは、猫ちゃん自体の体調や健康状態にも左右されることですので、かかりつけの獣医さんに相談・診察を受けてください。
仔猫から飼い始めたのでしたら、遅くても繁殖シーズンを一度も迎えない前には手術を受けさせることをお勧めします。早い場合は生後3ヶ月から行う獣医さんもいますし、1歳までにと言う獣医さんもいます。一般的には6ヶ月位を目安が多いかと思います。
不安・心配・疑問があるのなら、他の獣医さんにも相談してみましょう。

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2007.08.01 Wednesday
エサを食べている時にうなる ・ おねだりして困る
Q:
生後7ヶ月のMダックス・オスです。
エサを食べている時に手を出そうとすると、うなって威嚇してきます。食べこぼしを拾ってあげようとして噛まれそうになる事もあります。
また、家族の食事中におねだりをして鳴き続け、何かを貰えるまでずっと騒ぎ続けています。そのため一緒に外出しても、犬連れで食事を取ることがなかなか出来ずに困っています。
どうしたら良いでしょうか?


A:
犬だけでなく、動物にとって「食べる」という事は極めて本能的な行動です。
それ故に、エサを食べている時に脇から手を出されたり身体に触られたりするのは『エサを横取りされる!』と思い、唸り声をあげたり攻撃しようとしたりするわけです。
これがエスカレートすると威嚇だけではなく、飼い主さん家族に噛み付いてしまうこともあります。成犬になり大きな問題行動になってしまう前に、子犬時代からしつけをしっかりと行っておきましょう。

POINT
1.人間の手に慣れさせるために、食餌の時には、食器を持ったままで食べさせます。
2.エサは出来れば少しずつ与え、食べきる毎に器に補充してあげます。食器(エサ)に触られる事は、横取りされるのではなく、良いこと(エサが増える)があるのだと認識させる事になります。
3.エサを取り上げたり、怒ったりしてはいけません。エサを守るために更に攻撃的になるなど、かえって威嚇行動がエスカレートしてしまいます。
4.エサを食べさせている間、側に居て声を掛けるようにします。また、唸らなくなってきたら、少しずつ身体に触るなどして慣らしていきます。

危険
成犬で飼いはじめた場合などで、最初からひどく吠えたり威嚇する犬の場合には上記は適応しません。噛まれる恐れがあり大変危険ですので、必ずドッグトレーナー等の専門家に個別に相談した上で対処してください

また、人間の食べ物をあたえることは、しつけの観点からだけでなく、ワンちゃんの健康管理の面からも大変良くない事です。人間の食べ物は、ドッグフードに比べて糖分・塩分が多く高カロリーです。肥満や病気の原因になったり、食材によってはワンちゃんが中毒症状を起こす場合もあります。(ネギ類・チョコレートなど)

POINT
1.『可愛そうだから一口だけ』『とりあえず静かになるから』『今日は特別』・・・などとは考えずに、飼い主さんとワンちゃんの両方の立場を快適に保つためにも、人間の食べ物は与えないようにしましょう。ワンちゃんに『これは例外』という観念は通用しません。1回の甘やかしが、そのまま習慣になってしまいます。
2.たしなめたり怒ったりせず、おねだりは一切無視します。ワンちゃんに『おねだりはしても無駄(相手にされない)』と覚えさせます。
3.『絶対に与えない事』を、飼い主さんの家族全員で絶対に守りましょう。これに限らず、しつけの基本は<首尾一貫>です。

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2007.07.01 Sunday
猫の完全室内飼いは必要?
Q:
今度、仔猫を飼うことにしました。
純血種などへのこだわりは特に無いので、捨て猫などの仔猫を貰い受けたいと思い、里親探しのボランティア団体に問い合わせをした所、<完全室内飼い>を絶対条件のひとつとして提示されました。
しかし、夫が「猫は野生が強い動物なのに、ずっと部屋の中に閉じこめるのは可哀想。自然にも反する事だし、猫にストレスを与えることにもなる」と言い、室内飼いには反対しています。自宅は郊外にあり、車通りも少なく特に問題があるようにも思えません。
里親になる上で絶対条件にするほど、完全室内飼いは必須のことなのでしょうか?


A:
結論から申し上げると、猫には完全室内飼育を強くお薦めします。
それは何故かと言うと・・・・

【外には危険がいっぱい!!】
最も大きな理由は、家の外は、猫にとって<危ないモノ・コト>が数多く存在する危険な世界だからです。下記に挙げるのはその代表的なものです。
1.交通事故での死傷
例:道路への飛び出し横断で轢かれた。駐車中の車両の下で寝ていて轢かれてしまった。
2.他の犬・猫とのケンカによる死傷
例:夜間・早朝に放し飼いの犬に襲われた。繁殖シーズンで他の猫とケンカになった。縄張りをめぐってケンカをし、大けがをした。
3.高所からの落下・危険物や薬品(農薬や毒物など)への接触などによる死傷
例:老齢の猫が塀から足を踏み外して落下、大けがをして帰れなくなった。除草剤や農薬で中毒を起こした。側溝や配管などに入り込み出られなくなった。
4.悪意を持った人間からの加害
例:人なつこい猫や仔猫を狙った悪質な虐待事件に巻き込まれた。猫嫌いな人物が、毒餌を撒きそれを食べて死亡した。
5.関係業者(実験用・産業用)による捕獲
例:実験動物用に猫を買い取る企業があり、そこへの売却目的で猫を捕獲する人間に捕まった。
6.繁殖期の迷子・ケンカでの死傷・病気への感染
例:メス猫を追い掛けて(orオス猫に追い掛けられて)、帰り道を見失った。ケンカや交尾でFIV(猫エイズ)や猫白血病に感染した。
7.連れ去り
例:人なつこく可愛い為に、連れ去られてしまった。(その後、置き去りにされる場合も)
8.各種の病気・寄生虫などへの感染
例:FIVに感染、発症してしまった。ノミを付けて帰り、人間にもうつった。
9.偶発的な迷子や事故に遭遇
例:何か(クラクションの音・水を掛けられた 等々)に驚いて、帰り道を見失った。何かに驚いて道路に飛び出し、車に轢かれた。

【猫がトラブルの原因に!?】
反面、外出自由にしている飼い猫が近隣トラブルの原因になっているケースも多く有ります。(→地域での猫の駆除騒動や、猫の虐待行為に繋がったりする場合も…)
1.近隣の庭や公園の砂場などで糞尿をしたり、花木を折って問題になった。
2.不妊・去勢手術をさせていないために、繁殖シーズンに騒いでうるさい。
3.未去勢の飼い猫がノラ猫を妊娠させてしまい、猫が激増。ノラ猫問題に発展した。
4.駐車してある車に登り、車体に傷を付けたり汚したりした。
5.他の家の屋根で暴れて瓦を壊した。
6.他の家のペット(鳥・ハムスター・魚など)を捕ってしまった。


【災害対策の観点から】
最近では、災害時のペットとの同行避難についての対策にも、行政やボランティア団体が真剣に取り組み始めており、出来るだけ問題が少なく同行避難が行えるために、猫は完全室内飼育をしておく方がより良いであろうと言われています。
(※同行避難=避難所施設に一緒に入れるという意味ではありません。地域や状況により、様々に異なります。)
万が一、飼い猫と共に災害に見舞われた時、外出自由な猫では災害が起こると同時に飼い主さんとはぐれて迷子になる可能性がとても高くなります。
また、幸いに飼い主さんと共に避難できたとしても、避難中はケージや決められた狭いスペース内での生活を余儀なくされる事が殆どとなります。その時に、普段から外を自由に出歩いていた猫と、完全室内飼育されていた猫では、「閉じこめられること」に対しての抵抗感に差が出てくると思われます。

【猫の適正飼養とは】
ご相談者のご家族の様に「猫は野生が強い動物なのに、ずっと部屋の中に閉じこめるのは可哀想--」と言う考えをお持ちの方は多くいらっしゃるようです。
しかし、実は、猫は本来順応性の高い動物なのです。部屋の中だけの生活に慣れてしまえば、それが自分のテリトリーと承知します。そのテリトリーの監視として、猫が窓の外(外界)を眺められる場所を作ってあげれば良いのです。
また、猫は犬と違って「横の運動」=「お散歩」はさほど重要ではありません。猫の身体の構造上、「上下の運動」が出来る環境が必要になります。だから完全室内飼いをする場合には、天井までの猫用家具の設置や窓際の猫スペース確保など、猫の生態に合わせた様々な工夫をしてあげる必要があり、つまりはそれだけの環境が揃えば、猫は家の中だけでも充分に飼うことが出来るという事なのです。
もう一つよく挙げられる意見として多いのは、やはり「猫の自然の姿―――」と言う表現です。しかし、猫の本来の自然の姿は、「猫を飼った」時点で・つまり人間が関わったという事実によって、既に自然ではなくなってしまうのではないでしょうか?「猫」が「飼い猫」になった時点で、「飼い主」である「人間」は、飼い猫の保護と管理をする義務を負う事になるはずです。その関係に於いて、猫を自然の姿のまま、いわば勝手気ままにさせておくのは、少々無責任かもしれません。

現代は、昔のように車や人家が少なくFIVの様な危険な感染症が蔓延することが少なかった時代とは、残念ながら状況が変わってしまっています。上記に挙げたような様々なトラブルが現実問題として存在しているのです。
飼い猫をそれらから守ってあげられるのは、飼い主さんの他にはいないのです。完全室内飼育は、そのための一番の近道で、同時に、ほぼ完全な方法です。猫の完全室内飼いは、いわば【今どきの正しい猫の飼い方】なのだと思ってください。
猫の里親探しをしている団体や個人の方の多くが「完全室内飼い」を強く薦めるのは、里子になる対象の猫達が、安全に幸せに生きていけるように考えているからです。

【補足】
仔猫のうちに完全室内飼育に慣らしてしまうのが一番良い方法ですが、外出自由だった大人の猫でも、根気よく慣らしていけば家の中だけでの生活に切り替えていくことは不可能ではありません。
猫自身に掛かる精神的・肉体的ストレスを最小限に抑える事を前提にするのは言うまでもありませんが、まず飼い主さんが毅然とした考え方を持ち取り組むことが必要になってきます。そしてそれ以上に、家族の方の協力無くしては成し得ない事でもあります。
<外出自由>から<完全室内飼育>への切り替え方については、また別の機会に取り上げさせて頂きたいと思います。

【参考】
各種愛護団体を始め、各地の行政でも、猫の完全室内飼育を適正な飼い方として推奨している所が多くあります。
その中、国内で初めて、猫の室内飼育について明文化された条例が、山梨県で平成15年に施行されました。
「山梨県動物の愛護及び管理に関する条例」(抜粋)
<ねこの飼い主の遵守事項>
第十一条 ねこの飼い主は、第八条各号に掲げる事項を遵守するほか、不慮の事故等を防止するため周辺の環境に応じて屋内において飼養し、又は保管するよう努めなければならない。

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2007.06.03 Sunday
ペットとお出かけが決まったら・・・「心構え編」<ニャンコの場合>
Q:
念願のペット、猫との旅行をすることになりました。うちのニャンコと上手で快適な旅行をするには、旅行前に どういう点に気をつけて、お出かけれすればよいでしょう?

A:
−ネコちゃんの場合−
○各種病気の予防ワクチン接種は済んでいますか?
ネコちゃんの健康を守るために必要な、各種感染症の予防接種は受けておきましょう(通常年1回)。(ネコちゃんの健康状態など個体差がありますので、獣医さんにご相談ください)

○外部寄生虫(ノミ・ダニ)、内部寄生虫(回虫など)のチェック・駆除はしてありますか?
どちらも人間・犬・猫等にうつる可能性があります。予防ワクチン接種の時などに健康診断を兼ねて獣医さんでチェックして貰いましょう。また、外部寄生虫は薬品で予防・駆除することが出来るので、処方してもらうと良いでしょう。(市販品もありますが、処方薬の方が効き目が高い傾向があるようです。また、ネコちゃんによっては体質に合わない場合もあるので、出来るだけ獣医さんを利用した方が無難でしょう)

○迷子防止のために、名札を付けましょう。
誰が見ても直ぐ分かるように、飼い主さんの連絡先を記入した名札を付けておきましょう。
ICチップを埋め込んでいるネコちゃんも最近は多くなってきているようです。(装着は一部の動物病院でしてもらえます)

○リードに慣らしましょう。
犬と違って、ネコちゃんには係留義務はありませんが、家から出る時には必ずリードを着用しましょう。リードが無い状態で、不測の事態が起こった場合(何かに驚いてパニックを起こすなど)、飼い主さんに抱っこされていたりキャリーバッグの蓋が開いていたりしたら、逃走して迷子になったり事故に遭ってしまう可能性があります。

○ハーネスに慣らしましょう。
首輪にリードを付けただけでは、強く引っ張った時にネコちゃんの首から簡単に抜けてしまいます。首輪よりも確実なハーネスを使いましょう。ハーネスにも各種のタイプがあり、ネコちゃんが身体を捩っただけで抜けてしまうものもあります。抜けにくいタイプのものを選ぶようにしましょう。(ネコちゃん専用のベストタイプのものはかなり抜けにくい構造になっているようです)
ネコちゃんの安全確保のために、普段からハーネスに慣らしておきましょう。

○爪のお手入れをしましょう。
何かの拍子に、周囲の方や飼い主さん、お店の商品や建物・家具などを引っ掻いたりしては困ります。お出掛け前には爪の先が尖りすぎていないかチェックし、必要に応じて爪切りをしておきましょう。

○抜け毛対策をしましょう。
ネコちゃんの毛は細くて抜けやすく、還毛期には特に抜け毛の飛散に気を配る必要があります。人混みや店舗内などでは迷惑になります。お出掛け前にむだ毛を取り除きましょう。
ネコちゃんが嫌がらなければ、PET用のシャツや上着を着せるなどして抜け毛飛散を最低限に抑えるのも良いでしょう。
出来れば、飼い主さんは抜け毛取りのための粘着テープ等を常備しておきましょう。

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2007.05.30 Wednesday
他の犬に吠える (その1)
Q:
ミニチュア・シュナウザー(メス・1歳半)を飼っています。
最近、ドッグランやドッグカフェなどに行くのですが、他のワンちゃんを見ると激しく吠えてしまい、周囲に迷惑が掛かるので利用者が多い時にはなかなか利用することが出来ません。毎日の散歩でも、いつも顔を合わせるワンちゃんには吠えませんが、見知らぬコに遭うとやはり酷く吠え、何度「ダメ!」と言っても止められません。吠えている時は、尻込みをしている感じなので怖いのかと思います。
どのようにしつけたら良くなるでしょうか?


A:
犬が他の犬に対して吠えかかるのには何らかの理由がありますが、大きく分けて、次の2つのどちらかが考えられます。
1.他の犬に対して恐怖心を感じている
2.自分の縄張り(テリトリー)を守ろうとしている

ご相談のワンちゃんの場合、前者と思われます。

ワンちゃんのこうした恐怖心を取り除くためには、まずは飼い主さんが「良きリーダー」にならなくてはなりません。飼い主さんがしっかりとリーダーシップをとっていれば、ワンちゃんはそれを見て安心感を持ち、他のものに対しての恐怖心や不安感が減じる事になります。
良いリーダーとは、犬にしっかりと指示を出し、それに従わせる力が必要になります。飼い主さんとワンちゃんの良好な関係が築きあげられれば、同時に相互の信頼関係も養われていきます。
初心に戻ったつもりで、毎日の生活の中で基本的なトレーニング(「アイコンタクト」や「マテ」「スワレ」など)から、飼い主さんの指示に常に従わせられるように取り組んでみてはいかがでしょう。焦らずに、まずは家庭内でのトレーニングを完成させ、それから屋外でのトレーニングへと進展させていきましょう。
いきなりドッグランなどの多くの犬が集まる場所に行くのではなく、最初は近所のお散歩から他の犬への対応を慣れさせていきます。
それに慣れてきたら、お散歩の時間を増やしたり範囲を広げていくようにしましょう。

POINT
犬の視線をコントロールする
ワンちゃんが緊張しないでいられるように、遠くに知らない犬が見えたら、早めに「スワレ」「マテ」を命じます。そのままの姿勢を取らせたままで、飼い主さんはワンちゃんの名前を呼びながら誉め、ワンちゃんを飼い主さんに注目させ(=アイコンタクト)ます。
他の犬が通り過ぎるまでそのままの姿勢で待ち、ワンちゃんが吠えないでいられたら良く褒めてあげましょう。
これが出来ず、相手の犬に注意が行ってしまう場合は、相手の犬を凝視できない様にワンちゃんの前に立って視界を遮り、落ち着かせるようにします。おやつなどで飼い主さんに注目させるのも良いでしょう。
すべての基本は、「アイコンタクト」と「スワレ/マテ」にあります。いつでも従うことが出来るように、しっかりとトレーニングしておきましょう。

叱る時は確実・適切に
ワンちゃんが吠え始めると、飼い主さんは慌てて何度も声をかけたり、叱ったりしがちです。しかし逆にその声で返って応援されていると感じて更に吠えてしまう事になりかねません。
叱る時は一度だけ強く『ダメ!』と言い、それでも吠える場合には、なだめたりせずに無視し、散歩を切り上げて帰ってしまうのも一つの方法です。

やってはいけないこと
・「怖くないよ」とか「だいじょうぶだから」などと慰める
・ 興奮を抑えるために体を押さえ込んだり、リードを強く引いて制止する
・「ダメ!」「コラ!」と何度も怒ったり、名前を連呼して怒る
この様な飼い主さんの行動が、ワンちゃんの不安感・恐怖感を煽ることになり、結果的に他の犬に遭うことへの恐怖が更に増大することにもなりかねません。

STEP UP
他の犬との距離を縮めるトレーニング
飼い主さんの知人・友人や、ご近所のお散歩仲間で、比較的おとなしく社交的な犬を飼っている方がおいでなら、ご協力をお願いしてこんなトレーニングしてみましょう。

1.あなたのワンちゃんに「マテ」「スワレ」の指示を出し、飼い主さんに注目させておきます。(↑POINT 参照)
2.次に、ご協力者に犬と近づいてきてもらい、あなたのワンちゃんが吠え始める距離の直前で立ち止まって貰います。(この時点で、あなたのワンちゃんは吠えない状態)
3.ここで、飼い主さんはワンちゃんにおやつなどをあげます。
4.他に、犬を連れたご協力者さんから、あなたのワンちゃんにおやつを与えてもらったり、撫でてもらったりします。

こうした事を何人かの方に繰り返して貰い、体験していく中で、「他の(人と)犬」=「良いこと・楽しいこと」と考えられるようになり、徐々に他の犬との距離を縮めていける事になります。

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2007.04.28 Saturday
ペットとお出かけが決まったら・・・「心構え編」<ワンコの場合>
Q:
念願のペットとの旅行をすることになりました。うちのワンコと上手で快適な旅行をするには、旅行前に どういう点に気をつけて、お出かけれすればよいでしょう?

A:
−ワンちゃんの場合−

まず以下の点をもう一度チェックしておきましょう。

○ワンちゃんに基本的なしつけはされていますか?
無闇に吠えるコ、ケンカをしたがるコ、噛み癖・飛び付き癖があるコ、「マテ」・「イケナイ」など飼い主さんのコントロールが効かないコ、
ヒート中のメスのワンコ、等は周囲に迷惑が掛かる事になります。

○登録(生涯1回)、狂犬病予防接種(年1回)は済ませてありますか?
これらは法律(狂犬病予防法)で決められた、飼い主さんが果たさなくてはならない義務です。
例え、室内飼いの小型犬であっても必ず受けさせなくてはなりません。
子犬で入手した場合は生後91日までに、それ以上の月齢で入手した場合はその日から30日以内に済ませなくてはなりません。
また、鑑札・注射済証はワンちゃんに付けさせる事が法律で定められています。どちらも再発行が可能ですから、
大事にしまっておかずに必ず携行させましょう。鑑札はワンちゃんの身元に関する迷子札の役割も果たす事にもなります。

○各種病気の予防ワクチン接種・フィラリア予防は済んでいますか?
狂犬病の予防接種と違って法律による規定はありませんが、ワンちゃんの健康を守るために必要なものです。
獣医さんとご相談した上で、ケガや持病などの問題が無い限りは受けさせるようにしましょう。

○外部寄生虫(ノミ・ダニ)、内部寄生虫(回虫など)のチェック・駆除はしてありますか?
どちらも人間・犬・猫等にうつる可能性があります。予防ワクチン接種の時などに健康診断を兼ねて獣医さんでチェックして貰いましょう。
また、外部寄生虫は薬品で予防・駆除することが出来るので、処方してもらうと良いでしょう。
(市販品もありますが、処方薬の方が効き目が高い傾向があるよ
うです。また、ワンちゃんによっては体質に合わない場合もあるので、出来るだけ獣医さんを利用した方が無難でしょう)

○迷子防止のために、名札を付けましょう。
鑑札を付けていることによって、ワンちゃんの身元を調べることはできますが、誰が見ても直ぐ分かるように、
飼い主さんの連絡先を記入した名札を付けておくと安心です。
ICチップを埋め込んでいるワンちゃんも最近は多くなってきているようです。(獣医さんに相談しましょう)

○抜け毛対策をしましょう。
還毛期には特に抜け毛の飛散に気を配る必要があります。人混みや店舗内などでは迷惑になります。
お出掛け前にむだ毛を取り除いた上で、シャツや上着を着せるなどして抜け毛飛
散を最低限に抑えましょう。

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2007.04.23 Monday
猫の偏食対策(フードの切り替え)

Q:
うちの猫(1歳半・MIX・メス)は、最近食物アレルギーとみられる症状が出たので、対応食を与えることになったのですが、元々偏食が激しく、好みの物しか食べてくれません。どうやって、偏食を治したらいいですか?
普段は、いつも同じメーカー・種類のネコ缶を食べさせています。


A:
猫ちゃんは習慣性がある動物なので、偏食気味なのは当然とも言えます。ですから、いつも食べているものから新しい食餌に切り替える事は一般的にもなかなか難しい作業になりがちです。
食餌を全面的に急に変えると、食べ慣れない物で消化不良になって下痢や食欲不振を起こしたり、精神的な面で負担となり、ストレス症状を現すことがあります。急に環境を変えられたことによって、飼い主さんとの関係に悪影響が生じる場合があるかもしれません。
1週間〜1ヶ月、時間をかけて、今までのフードに少しずつ新しいフードを混ぜ合わせ徐々に慣れさせて行くようにしましょう。

手順
ドライフード→ドライフードに切り替える場合
最初は今までのフードに、新しいフードをの10%程度を加え、慣れ始めたら徐々に20%・30%と、少しずつ割合を増やしていき、最終的には完全に切り替えて終了・となります。

ウエットフード→ドライフードに切り替える場合
ドライフードをお湯でふやかし(水を加えて電子レンジに適宜かけても可。ただし熱しすぎないように)、混ぜ込むようにします。熱が加わる事で風味が増す効果も期待できます。
混ぜる割合はドライ→ドライと同様で、慣れてきたら徐々に量を増やし、100%切り替わったら、今度はふやかす時間を短くして硬いフードに慣らして行きます。

老猫や病気などの理由などで硬い物が食べられない猫ちゃん以外は、こうした機会に出来るだけウエットフードからドライフードに切り替える方が良いでしょう。
ウエットフードはどうしても食べ残しが口内や歯に付着し、口臭や口内炎の原因となり安く、口内衛生の面で手入れが必要になります。ドライフードは歯にこびりつきにくいので、日頃のデンタルケアも簡単に済ませられます。
また、硬い物が食べられない、若しくは食べたがらない猫ちゃんでも、ドライフードをお湯でふやかせば食べられるようになる場合が多くあります。
ドライフードは総合栄養食や処方食などであれば栄養バランスが取れているので、新鮮な水がたっぷり有れば、あとはフードだけで栄養補給は充分です。

フードの切り替えは、猫ちゃんと飼い主さんとの根競べです。
猫ちゃんの可愛い『おねだり』に負けないよう、「猫ちゃんの健康管理のため」と、飼い主さんは忍耐強く気長に挑んでください。

また、「今日は特別」と、好物の前のフードに戻したり、おやつなどを加える事はやめましょう。猫ちゃんは、「特別な日」と「普通の日」の区別は出来ません。

POINT
1. いつもの場所で、いつもの器で食べさせます。
2. 食べるかどうか気になっても、注視しないようにします。
3. おねだりには絶対に応じないでください。(他に選択肢か無い・と覚えさせます)
4. フードの量はいつもより若干少なめにし、時間を決めて与えます。(残すと空腹→仕方なく食べる)

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2007.03.22 Thursday
お留守番ができません

Q:
1歳10ヶ月のトイプードルです。いつも留守番が出来ずに困っています。
短時間(1時間程度)外出しただけでも鳴き続け、時には「そそう」してしまう事もあります。いつも家の中じゅう私について回るくらいの甘えん坊で、普段はトイレなどのしつけも問題なく過ごしていますが、これだけが心配の種です。
どうしたら良いでしょう?家族構成は夫と私(専業主婦)と犬です。


A:
飼い主さんに対して母犬に示すような強い愛着心を持っているワンちゃんは、飼い主さん(=母)と少しでも離ればなれになることで、大きな不安感に襲われ、それが問題行動(むやみに吠える・そそうする 等)として表れることがあります。他にも、一時的な食欲不振や下痢など症状として表れる場合もあります。
ご相談のワンちゃんは、大好きな飼い主さんと少しでも一緒にいられなくなる事で、ストレスの一種「分離不安」に陥っているのではないかと思われます。


分離不安は、飼い主さんの過保護から
通常、母(犬)は子(犬)がある程度に成長すれば、精神的に突き放して「親離れ・子離れ」をし、子(犬)は1頭の成犬として自立することになります。
幼犬の頃に母犬から離され、単独で人間と生活をしているワンちゃんは、飼い主さんがいつまでも子犬扱いして甘やかしすぎていると、いつまでも子犬気分のままで親離れできない場合が出てきます。特に、ご相談者のように在宅時間が長く、常にワンちゃんと一緒の生活を送っていると、双方が余計に愛情過多になり、飼い主さん離れできないワンちゃんになりがちです。

精神的に自立させる
いつまでも子犬気分の甘えん坊のワンちゃんは可愛いかもしれませんが、1頭の成犬として精神的に自立させる事で、飼い主さんとの正しく快適な生活を送れるようにしましょう。ワンちゃんの気持ちが自立出来ても、飼い主さんとの信頼関係や愛情が薄れる事はありません。
基本として、母(犬)が成長した子(犬)を突き放す様に、飼い主さんがワンちゃんと距離(物理的にも精神的にも)を置き接することで、精神的に自立させるように導きます。

普段の生活では
「マテ」を出来るようにしておき、飼い主がさんが家にいる時は、特に一緒に居る必要が無いのなら、「マテ」のままで別々の部屋や「ハウス」で過ごさせるようにします。
飼い主さんがトイレに立っただけで付いて行きたがる場合もありますが、部屋やハウスで待たせます。
ワンちゃんが甘えたくなって近づいて来たら相手にしないように無視します。
また、ワンちゃんと遊んだり撫でたりする時は、必ず飼い主さんが先に行うようにします。つまり、ワンちゃんが『遊んで!』と求めて来たときではなく、飼い主さん側から『オイデ』や『マテ』など指示をし、ワンちゃんがそれに従った時のご褒美として行います。

重要なのは、こうした対応に「一貫性」を持たせる事です。<A>の行動をしたら<B>の結果になる・・・と言う関連づけをワンちゃんの頭の中で完成させるのが目的ですので、『ちょっと哀しそうだから』とか『今日はまあいいか』とか、飼い主さんの気まぐれでワンちゃんへの対応を変えてしまうのは良くありません。
目的を達成させるまでは、飼い主さんも我慢して毅然とした態度でワンちゃんに接しましょう。


お留守番に慣らす
飼い主さんが外出することを、ワンちゃんに察知させるポイントを覚えさせます。
例えば、外出用の上着を羽織る・鍵を持って歩き回る など、『出掛けるのかも』とワンちゃんに思わせる演出をし、わざとワンちゃんの落ち着きを無くさせ、これに慣らす様にします。
慣れてきたら、今度は、ドアを開けてすぐ戻ったり、道に出て数歩歩いてすぐ戻るなどして、少しずつ外出時間をのばしていくようにします。

外出する直前は無視
外出する時に『お留守番できるよね』『イイコにしててね』など言って撫でたり抱っこするのは逆効果になります。外出前にはワンちゃんを無視しましょう。目をあわせたり声を掛けずに知らん顔して家を出ます。

ちょっとした工夫
ワンちゃんが時間潰しが出来る物(噛むおもちゃ・おやつ入りコングなど)をさりげなく置いていきましょう。飼い主さんがいない状態に慣れるまでは、テレビやラジオをつけたままにしておくのも良いでしょう。
特別好物のワンちゃん用おやつを、お留守番の時だけ(少量だけ)与える「おやくそく」を作るという方法もあります。

帰宅したら
出掛ける時と同じく、帰っても大袈裟に可愛がったり抱き上げたりするのは良くありません。
ワンちゃんが興奮してお出迎えしても、目をあわせず無視します。ワンちゃんが落ち着いて普通の状態なるまでは無視し、冷静になったら声をかけたり撫でたりしましょう。

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2007.02.18 Sunday
猫の多頭飼い #2 (実践編)
Q:
現在、完全室内飼いで5歳の大人の猫(アメショーのオス・去勢済み)を飼っています。今度、1歳前後のミックス猫(メス・避妊済み)を、里親として引き取りたいと思っています。ただ、先住猫がちょっと神経質なので、仲良くできるかどうか心配です 


−猫の多頭飼い #1(理論編)からの続き−
A:
健康診断
前段階として、必ず、家に入れる前に新入り猫の健康診断を獣医さんで行ってください。
必要に応じ、予報接種・治療・駆虫などの処置をしてもらいます。また、獣医さんに先住猫との同居になる事および居住環境を説明して、新入り猫がその環境に問題のない健康状態であるか確認をしてください。新入り猫が何らかの感染症に罹っている場合、治療が終わるか先住猫への予防接種をするなどの感染予防の対策が済まないうちは、2匹を同室におけないことがあります。病気・感染症等に関しては素人判断をせず、必ず専門家である獣医さんに相談をしてください。

準備するもの・やっておくこと
最初の2週間程度(+α)は新入り猫をケージに入れておく必要があるので、エサ・水入れ、トイレ、寝場所を確保できる大きめのケージ(出来れば2段以上のもの)を用意します。
ケージは、可能ならば、先住猫が普段いる部屋とは別室に設置します。同室に置く場合は、猫同士の視線を防ぐためのケージに毛布や布などで覆いが出来る様にします。

対面までの手順
1.
タオルなどで先住猫・新入り猫の身体を良く拭き、それぞれの猫のニオイを移します。猫同士を対面させる前に、それぞれのタオルをお互いの猫に何回か嗅がせ、互いのニオイの存在を確認させておきます。
2.先住猫が部屋の中にいない状況で、新入り猫をケージから出し室内を探索させて室内環境を確認させます。
3.2〜3日後、新入り猫をケージに入れた状態で対面させます。最初は短時間だけ、どちらかが威嚇をしたらその日はやめます。(同室にケージを置いてある場合は、布を掛けて猫同士の視界を塞ぐ)暫くこれを繰り返すと徐々に慣れ威嚇しなくなってきます。少しずつ時間を延ばしていきます。
【重要!】猫同士のケンカやけがの予防のため、対面は必ずケージ越しで。また、先住猫が興奮し暴れて飼い主さんを引っ掻いたり噛んだりする場合があるので、先住猫を抱いたまま会わせたり、威嚇しているところに手を出したりしないようにしましょう。
4.
ケージ越しで同じ部屋にいる事に慣れたら、短時間ずつ新入り猫をケージから出します。軽く「いなす」程度の前足攻撃(猫パンチ)や威嚇は牽制行為と考えて放っておいても問題は無いでしょう。どちらかの猫が極端に怯えるか興奮(攻撃)状態になった場合はケージに戻すなどして隔離します。この繰り返しで、最終的にはケージ無しでの共同生活を目指します。

多頭飼育の環境整備
食餌場所・トイレは最低限、×猫の数分は必要です。また、場所も離して置いた方が良いでしょう。食餌場所がどうしても同じになってしまう場合は、間に目隠し板を立てて猫同士の視線が合わないようにします。
くつろげる場所・寝場所などのプライベート・スペースは出来るだけたくさん設置してあげます。仲の良いきょうだい猫を飼っている場合でも個別スペースは必要です。

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2007.02.18 Sunday
猫の多頭飼い #1 (理論編)
Q:
現在、完全室内飼いで5歳の大人の猫(アメショーのオス・去勢済み)を飼っています。今度、1歳前後のミックス猫(メス・避妊済み)を、里親として引き取りたいと思っています。ただ、先住猫がちょっと神経質なので、仲良くできるかどうか心配です 


A:
〜完全室内飼育の環境が整っていない場合(先住猫が外出自由・避妊去勢前である・飼い主さんの家族が完全室内飼育に協力的でない・・等)、扉や窓の隙間から新入り猫が脱走したり、先住猫が家に戻ってこなくなったりする可能性があります。ここでは、完全室内飼育環境での迎え入れを前提に説明します〜
POINTは、飼い主さんが「焦らず・気長に・無理させない」で付き合って行く事です。
先住猫・新入り猫が、神経質だったり攻撃的な性格な時は、同居がなかなかスムーズに進まない場合があります。当然の事ですが、猫の個性は様々です。時間・手間が掛かって当たり前・と考えましょう。
また、別々の環境で育った関係である猫同士は、一緒に産まれ育ったきょうだい猫の様な、遊ぶのも寝るのもいっしょ・的な<とても仲の良い関係>を望む事は難しいものです。
<仲良くできる>のではなく、<同じ空間を問題なく共有できる>事が出来れば、先住猫と新入り猫との同居は成功なのだと思ってください。
共同生活が始まると、猫同士の間にある程度の順位関係が成立します。飼い主さんは猫達の様子を観察し、猫同士の関係を捉えたうえで、ケース・バイ・ケースで対応していく必要が出てきます。基本的には先住猫の立場を優先して対応します。新入りに気を遣いすぎたために、先住猫への気配りが疎かになっては問題です。今まで以上に先住猫へ愛情をそそいであげましょう。
たとえば・・・、
新入り猫のいないところで先住猫をたっぷり可愛がる
両方の猫がいる前で一方だけを可愛がらない
先住猫から先に可愛がる
・・・・などの工夫をしましょう。

先住猫の身体・精神状態の維持が最優先です。
無理な同居を進めてしまったばかりに、先住猫が精神的なストレスを抱えて病気になる・尿マーキングを始める・過剰グルーミングで脱毛になる・新入り猫をしつこくいじめる・飼い主さんとの関係が悪化する・家出をするなど、大きな問題に発展する事例が有り得ます。
猫同士が完全に慣れ問題なく共同生活が送れるようになるまでは、かなり時間を有する場合があるようです。早くて1〜2ヶ月、長ければ数ヶ月掛けなくてはならない事もあります。

【参考】猫の年齢・性別での相性
結果的には、猫同士の性格によって相性は決まるので絶対的な相性は断言できませんが、一般的に下記のような相性の良し悪しはあるかと思われます。
最良=仔猫同士
良=去勢手術済みの成猫オス × 仔猫
良=避妊手術済みの成猫メス × 仔猫
普通〜やや難=避妊・去勢手術済み成猫同士
避妊・去勢手術をしていない成猫は、相手が仔猫であってもかなり難しいでしょう。ブリーディングなど繁殖の必要性が無いのなら、避妊・去勢手術は済ませておくのが基本です。
迎え入れた仔猫も生後半年程度を目安に避妊・去勢手術を受けさせます。未手術のまま性病になると、猫同士の関係が悪くなる場合があります。

−猫の多頭飼い #2(実践編) に続く−

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犬や猫をはじめ、ペットを家族の一員として迎え入れて同居生活をしていく際に、直面する様々なトラブルや疑問などを、ペット飼養の専門家にご回答を戴くブログです。

回答者:石原直子さん
1級愛玩動物飼養管理士
社団法人-日本愛玩動物協会山梨県支部常任幹事
山梨県動物愛護推進員
NPO法人-八ヶ岳南麓観光ドットコム理事


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